JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜

「もちろん、給料や知名度も上がるんだけど…

うちの会社、料金にはシビアだからさっ。
どんな失礼な状況でも、しっかり徴収するだろうし。

なんか、今までのお客さんに申し訳ないっていうか、俺はもっと一人一人の施術を大事にしたいから…

ちょっと、向いてないかもって」


確かに、響ならそう思うだろう…

でも。


ー「千景は俺がカリスマ美容師になるのを夢見てくれてたから、それを目指しながら…」ー

だったら、新店舗の方がそれに近づく。



「私は…

今まで響がお客さんと築いて来た、その信頼関係があれば大丈夫なんじゃないかと思うし。

お客さんを大切に思って、その一人一人と真剣に向き合ってる響を見たら、わかってくれるんじゃないかと思うけど…

やるだけやってみたら?
やってみなきゃわからないし、答えを出すのはそれからでも遅くないんじゃない?」


するとその人は、目を醒ましたような表情を覗かして…
瞼を伏せて噛みしめるように笑った。