前はよく一緒に遊んでいたけど……。
今は…。


前みたいに3人で出かけに行きたいなぁ
…なんて、思っちゃう。


「……梨花も、部屋に戻ったら?」


お母さんが笑って言った。


その笑顔が切なくて。
本当は娘にそんな態度とられて辛い筈なのに……



「……うん。」


そうお母さんに返し、
階段を登る。


「………」


目の前には、横に並んだ2つのドア。


右が美奈で、左が私。


お母さんを悲しませてる美奈。


前の美奈に戻ってよ………。





……ガチャ。


「お姉ちゃん?何よ。」



私が開けたのは、美奈の部屋のドア。


「…ちょっ、勝手に入んないでよ!」


無視してズンズン入り込む。


正面に机が目に入った。


…美奈の机には、沢山のキラキラした
メイク道具。


……美奈……
あんたがメイクなんてするから何度も
私達は…学校に呼び出されてるんだよ!


私と2年違いの美奈。


私には美奈の気持ちは分からないけど、
それでも。


「………っ!美奈!あんたの学校メイク禁止でしょ!?何やってんのよ!」


姉として、お母さんの為にも前の美奈に戻ってほしいよ……。


でも、
美奈に注意したのは
今回が初めてじゃないから。


「は?お姉ちゃん、何いい子ぶってんの。出てってよ!!」


美奈が聞いてくれないことぐらい
わかってるんだよな…


「あんたいい加減にしなさいよ!」


「……出てけよ!!」


「わっ!」


グッと肩を押され、
ドアから押し出される。


美奈は私をきっと睨みつける。


「2度と来ないで!!」


バタン!!


ドアを閉められてしまった。


……はぁ。



やっぱり、今日も無理か……。


仕方なく自室に戻る。


ベットに潜ろうとしたその時だった。


「きゃっ!」


足がもつれて、

ベットに転がってしまった。



……あれ?


今、一瞬足が動かなかったような…?