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「ん………」


重い瞼を開くと視界に入ったのは
真っ白な天井。


……私、何してたんだっけ……?


ボーッとしてて、何も思い出せない。


マラソンしてて、それで……


それで……?



「……っ!!」


急に霧が晴れたように意識がはっきり
してきた。



ガバッと起き上がる。

途端腕に違和感を感じ目をやると


一度は見た事のある、腕に刺さっている
点滴。


ここは……病院?


周りは誰もいないみたい。


そうだった。
私、苦しくて倒れたんだ。


今でも思い出すと胸が苦しく
なりそう。


熱中症にでもなったのかなぁ…


もしかしたら最近の手足の異状は


熱中症の前触れ??


なんて考えていると


「あ!!梨花!大丈夫!?」


ガラッと病室の扉を開けて加奈が入ってきた。


「え、加奈!?」


どうやら結構友達にも心配かけたのかも…


「心配したよー!本当に大丈夫?」


「加奈、心配しすぎだよ!平気平気!軽い熱中症だよ、きっと」


ハルくんは来てないのかな?


加奈から携帯を見せてもらうと、


もう夕方になっていた。


この時間は、ハルくんはサッカー部の練習かな…