【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。







心臓が体内で一気に音を響かせる。



好きだって、無意識に言っちゃいそうになった言葉を
ハッと意識を戻し、口の中へと戻した。




「...零さん...離してください」


「...?お前が抱き締め返したりするから、てっきり離すなって事だと思ったぞ?」


「違います!間違えただけです!!」


「...間違えて抱きしめ返す奴初めて見たわ。つかお前が転びそうになったとはいえ抱きしめて悪かったな」



「いえ!私としてはラッキーだったと言うか嬉しかったと言うか...」


「はあ?」


「いえ!!なんでもないです!!」




なんでもなくなんかないけど



零さんに告白しそうになった口をチャックが付いたかのように、顔を赤く染めながら閉める。



ばっ...馬鹿だ私



もしこのまま言ってたら、多分振られて気まずくなってた思う。



零さんが私と一緒にいるのは

兎恋から守るためだけなんだから...



自惚れるな

自惚れる...