「加島さん大丈夫?」
「えっ?」
「はい」
「...あっ、ありがとう」
隣の席の田中君が落とした教科書をすぐに拾ってくれた。
...田中君ってあんまり話したことないけど優しいんだなー
それに比べて...
「...直人とは大違いだね」
「はあ!?なんだと朝日!!もういっぺん言ってみろ!」
「なんでもありませーん」
「朝日この野郎〜!!」
授業中にも関わらず大騒ぎするから
先生に「うるさいぞお前ら2人!!」と怒られてしまった。
そもそも私は恋バナなんかしたくなかったのに
先生に怒られたのは直人とのせいだと、ノートに直人の顔を嫌がらせでヘタクソに描いてやった。
そして終わる授業。
鐘が鳴ると、ちょうどヴーヴーとスマホからバイブ音が鳴る。
誰からだろう...?
スマホを手に取ると『零さん』と表示されていた。
「ぜっ...零さん!?」
慌てて電話に出ると
『朝日』
と、最初に名前を呼ばれて、嬉しすぎて耳から全身が溶けてしまいそうだ。


