「...それにしても困っちゃいましたね...」
グラスに水を入れて、店員さんが零さんに渡しながら言う。
「零君、あなた兎恋に入る気は...」
「死んでもねーな」
「なら、この女の子どうする気なんですか?」
私!?
ゴクゴクと水を一気に飲み干す零さんから店員さんへと目線を移して、話の内容に私が出てきて驚く。
「えっ...と?なんで私なんですか?私、兎恋とは関係ないですよ...?」
「まあなくても、零君のせいであなたが狙われちゃいましたからね?さっき鬼口って人が言ってたでしょ?
あなた拉致って零君を兎恋の倉庫へ無理矢理来させるって」
「でもそれって、零さんのせいじゃなくて、私が零さん追っかけてこっちまで来ちゃったから...」
「いや、俺のせいだな」
「...零さん...」
零さんがコトッとテーブルに置いた中身のないグラスを、店員さんがさげる。
「そもそも俺が、お前の家の前で倒れてなければ、お前を巻き込まずにすんだ」
「違いますよ!!あれは勝手に私が助けただけで...」
「...」


