【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。









「...もしかして人探しですか?」


「えっ?」



コトッと私の前に拭いたばっかりのグラスを置いて、注がれるオレンジジュース。



店員さんの疑いの目は、急に柔らかい表情へと変わった。




「よく、このBARに人探しに来る人が多くてね」


「...」


「君みたいに挙動不審にBARに来る人もいれば、店のガラス割っちゃうバカもいるんだよね」


「...は...はぁ?」



一体この人は何が言いたいんだろう...


注がれたオレンジジュースを飲んで「ありがとうございます」とお礼を言うと、店員さんが私を見て笑う。




「君が探してる人は"零"って名前の男だよね?」



「えっ!?零さんの事知ってるんですか!?」



「ふふっ、やっぱり零君の事探してたんだね」


「...」



零さんの行きつけのBARで
零さんを探しに来る人って私だけじゃないんだ...。




でも店員さんの話を聞いてる限り
それが"好意"で探しに来てるとは限らないって事だよね?



店のガラスを割るぐらい、零さんに喧嘩売ってるって事にも繋がるし