この理由以外他にはない。
好きになる瞬間なんか、いつだって勝手だ。
ただ好きなだけ。
何も知らない彼を好きだなんて、何度も自分でも思うくらい頭がおかしいと思う。
でも零さんは私の知らない世界をすべて知っている。
そして零さんからすれば、私の知ってる世界を知らない。
だから教えてあげたいと思った。
私の"普通"と零さんの"普通"
お互いがお互いの世界を知らない。
知らないから、そんなあなたに私は心奪われたのかもしれない。
私がこのネオン街に足を踏み入れて1時間は経過しているのに
街は一向に明かりを消そうとはしない。
逆に増えてく一方だ。
金髪さんと私の睨み合いが続く中で
先に目を逸らしてため息を吐いたのは金髪さんの方。
「...誰もが恐れ、誰もが尊敬してる零さんの事を普通扱いしてる奴初めて見たぜ」
「...えっ?」
「嬢ちゃんいい根性してんじゃん。もしかして零さんに惚れてんのか?」
「!?」


