ものすごく大事なコトなのに
零さんは「何だそんなことか」と一言で終わらせるから、泣きながら零さんの肩を揺らした。
「ごめんなさい〜!!今から買いに行きましょう!!」
「いや、いい。
だからお前でいいって」
「そういう理由にはいかないんですって!!」
相変わらずバタバタ、一人忙しい私を横目に零さんが小さな声で笑う。
最初に出会った頃の記憶も
今、一緒にいる時間も
零さんが居てくれるだけで、すべてが幸せだから
今日、出るかも分からない月に
このままずっと零さんの隣で過ごせます様に、と願っては
繋いだ手から、伝わる彼の体温に
今日も、静かに胸を高鳴らせた。
「そういえば...零さん最初の頃、家の玄関前で倒れてたけど...なんで倒れてたんですか?」
「あぁ、車に轢かれて、病院行くのめんどうだったからな。
そのまま歩いてたら...いつの間にか意識なくなってたな」
「えぇ!?バカじゃないですか!!病院行きましょうよ!!今から!!」
「...今から行っても意味ねーよ」