本当は、お母さんのお兄ちゃん...伯父さんの所へ行きたかった
行きたかったけど...
でも行ける勇気がなかった。
だってあっちにも家庭がある。
私がまだ小さかったら、すんなり受け入れてくれる事が出来たかもしれないけど
私はもう高校生。
人に気を使って生きていかないといけない
大人になってしまったんだ。
だからそこらへんは勿論空気を読んで行かなかった。
だって家族は家族同士で暮らしたいでしょ?
血の繋がりがあったとしても、優しくされたとしても
結局は他人で、家族にはなれないんだ。
...やばい、こんな事考えちゃうと
やっぱり涙がでてきちゃう。
手で涙を拭いながら、寝室からタオルケットを持ってきて彼に被せた。
男の人を引きずることは出来ても、持ち上げることができず
リビングの床に寝転ばせたままだけど
それはそれで仕方ないと思いながら
久しぶりにこの家に人が来たと、料理に腕を振るう。