「...あんた一体何者なんだよ...」
「...」
私もそれがすっごく気になってたから、零さんの方と目に線を向けた時
夕日で、彼の目の色が黒から赤へと一瞬変わったような気がした。
「...特になんでもねーな」
「...はあ!?なんでもーねってなんだよ!!何でもなかったらあんな変な奴らに追いかけられるかよ!」
「落ち着けよガキ」
「だからガキじゃねーし!!」
どこまでも冷静な零さんが、またタバコを吸い始める。
いや冷静なのか、それともタバコで誤魔化してるのか
もし冷静じゃなかったとしても
私達より心に余裕を持っている事には間違いないだろう。
「...あの、さっきは助けてくれてありがとうございます!...でも昨日の怪我の具合は...」
「んっ?あぁ、別に大丈夫だ。こんなの1日経てばなんとか痛みもおさまるし」
「...そうですか、よかったです」
ホッと胸をなで下ろす。
すると直人が私と零さんを交互に見ては目を細めた。