【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。








「もう!私は真剣に言ってるんです!!」


「俺も真剣だが?」


「〜〜!そうじゃなくって!
欲しい"物"の話ですよ!!」


「...特にねーな」




箸で綺麗に魚の骨を取る零さんの顔は本当になにも欲しくなさそうで。


食事を終えても、その事で頭がいっぱいな私に
零さんがソファに座りながら話しかけてくる。




「いい加減にしろ、いらないって言ってるだろ?
いつまでも悩んでねーで、隣こい」


「むっ...私は零さんに喜んでもらいたくて考えてるのに!」


「だから、お前でいいって」



だーかーら、それじゃあ意味無いんですって!



本当に物欲がないのかなんなのか...


確かに零さんって、私の家に荷物持ってきた時も
そこら辺に置いても邪魔にならないくらいの量だったし



服も、黒とか白とかシンプルな物ばっかだし。



今どきの若者にしては珍しいくらい
本当になにも欲しがらないから...一体どんな人生を歩んできたのか気になってきた。