助けるつもりが
逆に助けられちゃった...。
今になって震える手は、さっきの男の顔を思い出させる。
怖くなかったなんて言えば嘘になる...
でも零さんを守るために咄嗟に身体が反応しちゃったんだから
正直零さんより私自身の方が驚いてる。
「おい朝日!!お前大丈夫かよ!?怪我は...」
すっごく心配したのか、汗だくの直人に「大丈夫だよ」と首を振った。
ザワザワと騒がしくなる一方
赤色の髪の男が息を呑んでその場で呆然と立っていた。
「おいお前」
威圧的な零さんの独特のオーラに完全にビビってしまっている赤髪の男。
零さんが、倒れてているピンク色の男を軽く蹴って、赤髪の前へと転がした。
「お前らの頭に伝えておけ。仲間にばっか頼んでないで今度はお前1人で俺を倒しに来いって」
「...ぐっ!」
決め台詞と同時に零さんがタバコの煙を吐く。
そしてピンク色の男を赤髪が担いでは
何も言わずに少し薄暗い街から消えていった。
ザワザワ、ザワザワとギャラリーに囲まれている私達
そのギャラリーに溶け込むように、その場から離れては着いた場所は公園。
一番気になってる私より先に、息切れした直人が零さんに問いかける。


