私の肩に顔をうめていた直人が顔を上げる。


涙を流す直人にこれ以上言ってあげられる言葉なんか見つからない。



ズビッと鼻をすする音が空き教室に響く。



「...」


「...」



こんなにも言葉が出てこない日が、長年一緒にいてあっただろうか...?


乱れた息が正常に戻り
少し落ち着いた直人が、ゆっくりと立ち上がった。


何も言わず、黙って空き教室から出ていこうとするから

「...ありがとう」と、直人の想いに感謝して小さく呟くと


突然くるりと戻ってきて、空き教室のドアを全開にして直人が息を吸い大声で叫んだ。




「朝日のバァーーーーーーーーカ!!
好きだーーーーーーーー!!」



えっ...


えぇ!?



「なっ...直人なに言ってんのよ!!」


「この俺様をフッた事を、将来後悔する日が来ることを願って大声出してみた」



「いや!そういう事聞いてるんじゃないよ!!」