「...はあ!?いや...意味わかんないから!
もう冗談はやめてよ!本気で怒る...」
「怒るよ」と口にしようとした時
直人の顔がどんどん私の顔に近づいてくる。
あと数センチでキスしそうな口と口の距離に、さすがに危険を感じて顔を横に動かすと。
拒否った私に直人の顔が分かりやすいくらい歪んだ。
「...そんなにアイツの方がいいのかよ」
聞いた事のない低い声で言われて、ビクッと肩を震わせる。
「な...おと?」
「なんでずっと一緒にいた俺じゃなくて、あいつなんだよ!」
直人の悔しそうな顔に、目を見開いてただ単純に言葉を失った。
いつもより真剣な表情
いつもより低い声
いつの間にか怒りを含んだ言葉。
全部が全部、直人が直人じゃないみたいで
その幼なじみの姿を、ずっと一緒にいて初めて見た姿だった。


