「し...死ぬかと思った」
「大げさな奴」
「なっ...!」
冷静にコーヒーを飲み始める零さんに少しだけ怒りがこみ上げてきた。
そりゃあ零さんは『あーん』してもらう側だから...恥ずかしくなんか...
私と零さんの立場を交代した妄想をすると
それはそれで恥ずかしいと赤面する。
私達のやり取りを見た客が、何を勘違いしたのか
メイドに『あーん』を頼む人が増えて色々と大変な事に。
後で皆に謝ったのは言うまでもない。
「それじゃあ午前と午後の当番の人交代ねー!
午前中の人お疲れ様でしたー!」
「結構楽しかったねー!
特に加島さんの彼氏すっごくイケメンで、他のお客さんに接客してる時に見惚れちゃって接客どころじゃなくなっちゃったよー」
「えー?!そんなにイケメンだったんだ!」
「イケメンって言葉だけじゃ、足りないくらいにね!!」
キャッキャッと、更衣室で盛り上がる零さんの話題。
嬉しいけどなんかすっごく複雑な気分。
これで零さんの事狙う人いなきゃいいけどー...
「つーか正直加島さんには勿体ないよねー」
「そうそう!!ぶっちゃけアタシら方が似合ってるねー、ああゆう系」
聞こえるようにわざとらしく大きな声で言われる。
思った通り、やっぱり零さんを狙う人がすぐ現れた。


