そう捨て台詞の様に、先に空き教室から出る直人の背中が私の複雑な心境を物語っていた。





へなへなと、力が抜けてはその場に座る。



「...直人...」



この話し合いで正直諦めて欲しかった。



直人が私の事を好きだからとか自惚れた理由じゃない。


これ以上、傷ついてほしくないから諦めて欲しかったの。




「...ばかばかばかー!!
直人も私も...そして零さんの馬鹿ー!!」



どうしようもないじゃん!!


片想いなんか人の勝手だし



だけど

だけど...!




もう戻れない事を知ってしまった、幼なじみに。



それがなんだか辛くて
自然と溢れ出る涙が舌を濡らす。





恋なんって知らない方が良かったのかもしれない




ううん、それとこれとはまた別の話になってくる。





手で涙を拭って、隠せていない泣きっ面で空き教室から出た。