今にも呼吸が乱れそうだ。
男として見てなかった幼なじみが
いつの間にか、私の知らない"男"の人になっていたなんって。
こんなにも真剣に私の事思ってくれていたのに
馬鹿だ私。
そんな人の前で、ずっと零さんの事ばかり庇っていたなんて...
絶対傷つけていたに違いない。
直人の気持ちなんか一切気にしないで、私、目の前にある自分の心しか見ていなかったんだ...。
...でも
それでも...
「...ごめんね直人...」
「...」
「私、零さんの事が好きなの...」
「...」
「多分、零さん以外もう見れない...見えないの
だから...」
「知ってる...朝日があいつの事好きなのは。
だけど俺は諦めない」
「っ!?」
「お前が今はあいつの事好きでも、もしかしたら俺の方にいつか振り向いてくれるかもしれないだろ?」
「そんな事...!」
「ある。
人の心がどうなるかなんって誰にもわかんねーもんなんだ。
だから...これからは俺の事男として見てくれよ」
「...」
「...今日はそれを伝えに来た。
...それじゃあ俺、先に教室戻ってるから」