零さんは私の体に布団をかけると寝室から出ていこうとする。
いつも仕事がある時は私より先に家から出ていくなんて見慣れてる光景なのに、それがなんだか寂しくて。
「...朝日...これじゃあ買い物行けないだろ?」
「やだ行かないで!
行くなら私も行くもん!!」
邪魔するように、零さんの足にしがみつく。
「あのなー、病人を外へ出すわけにはいかねーだろ?
分かったなら、とっとと離れろ」
「やだやだ!なんで零まで私のこと置いていっちゃうの!?」
「!?」
「お父さんもお母さんも買い物に行くっていったっきり帰ってこなかったんだよ!?ぐすっ...!!
なんで...それなのになんで零までぇ...!うわぁぁあああん!!!!」
「違う朝日、ごめん悪かった。
どこにも行かねーよ」
「...ぐすっ...うっ...ほんと?...ひぐぅ」
「俺は嘘なんかつかねーよ」
抱きしめられては、ポンポンとリズム良く軽く叩かれる背中が気持ちいい。
もう零だけでいい。
零しかいらないから
お願い神様...もう私からなにも奪わないで。
ウトウトと、零のおかげで気持ちいい世界は、私を眠りへと誘った。
「...寝たか?」
「...」
「それにしても、ちゃんと意識がハッキリしてる時に"零"って呼び捨てで呼べよ」
「...」


