嫌になるくらい風に煽られたバイクが、まだ動揺している私を怖がらせる。
けど
もう私のすぐ近くにいるのは零さんであって
兎恋の人達でも偽物でも幻覚でもなんでもないんだ。
うるさかったバイクの音が、急に静かになり
零さんがヘルメットを外して、こちらへと振り向いた。
「...着いたぞ」
「...」
「おい」
「あっはい!!すぐに降りますね」
「...お前本当に大丈夫か?」
「大丈夫ですって!」
無理矢理笑顔を作ってバイクから降りると、少しよろけて転びそうになったところをまたまた零さんに助けられた。
...これで零さんに受け止めてもらうの何回目だろ...
流石の私もこう毎回転ぶとドジみたいで恥ずかしい。
「あっ...はは!!すみません、ちょっと眠くなっちゃって...」
「嘘つくのもいい加減にしろ。
変な強がりとかいらねーよ、あんな事があったんだ。まだ怖いのは当たり前だろ?」
「...」
「ほんと悪かったな」と、私の中で無敵確定してる零さんが弱々しく謝りながらぽんぽんと子供をあやす様に私の背中を叩くから。
なんだか気が抜けちゃって、涙を堪えてる方が馬鹿らしくなってきちゃった。
「うぇ...ぐっす!!
ご...ごぉわがっだぁ...!!」
「...なんだお前いきなり。急に声出すなよビビるだろ」
「零さんの馬鹿〜!!もっと早く助けにきてよ!!!!」
「...そこはマジで悪いと思ってる」


