「きゃっ...!」
私の漏れた小さな悲鳴も、零さんからすれば心配されるのも大きなお世話だったのかもしれない。
2人同時の拳を、零さんは表情一つ変えずに受け止めて
そのまま2人の腹を蹴り、総長さんと鬼口が吹っ飛ぶ。
「ぐっ...!」
「がっ...!!」
「...お前ら、いい加減諦めてくれねーか?
俺はガキの喧嘩に付き合ってる暇ねーんだよ」
ふぅ...とため息を吐くほど余裕がある零さんに、蹴られた痛みに耐えてる総長さんが倒れながらブチギレる。
「ふざけんな零!!
ガキの喧嘩なんかじゃねー!!俺らは必ず日本一を取るためだけに強く、そして人を集めてきたんだ!!」
「...」
「お前みたいな力はあるくせに有効活用しない奴見てると...ほんっとムカついてくるぜ!!」
「...」
「だからなっ?零。よく考えてみろ。
お前の強さは本物なんだ。
お前と俺なら絶対日本一を狙える。
なんならお前に総長の座譲ってやってもいい...
だから兎恋に入ってくれよ?なっ?」
ズルズルと...お腹を痛みを手で気にしながら
総長さんが零さんの目の前に立って真剣な表情で言う。
...そこまでして、日本一の強さがほしいなんて
やっぱり私にはよく分からないけど。
倉庫の中で緊張感が走る中、零さんがもう一度ため息を吐いた。


