一見、"頭"と言われてるわりには
親しみやすい様に見えてあまり迫力が感じられない男。
でも最初に目にした時、この男。私の本能が危険だってすぐに知らせた。
...とりあえず零さんが来るまで大人しくした方がいいのかな...?
いや、零さんに頼っちゃこの人たちに思い通りの展開になりそうで嫌だ。
今、私は人質という立場
何をやっても上手くいかないかもしれないけど...。
「あの!兎恋の総長さん...」
「なんだ?」
「お手洗い...行きたいんですけど」
「...ダメだ」
「お願いします!ここでしちゃってもいいんですか!?」
「...しょうがねーな」
「こんな下品な奴がほんとに零の女なのか?」と心底嫌そうな顔をさせながら、私の手足を縛ってるロープを外す総長さん。
でもそんなひどい言われようも気にしてる暇なんかない。
手足は自由になったけど...直人をどうするか考えなきゃ。