「なっ直人!?」


「安心しろ、死んじゃいねーよ。
あまりにもうるせーから気絶させただけだ」


「なんで直人まで!!」


「んー?お前と一緒にいたから?」




そんな理由で他の人を巻き込んでいいと思ってる鬼口の言葉に腹が立って暴れるけど、ロープのせいで身動きが取れない。

逆に地面に顔がついてしまった。



「っと...くだらねー話はさておき。
お前が眠ってる間に、お前のスマホ使わせてもらった」



「なに勝手に...!」



「大丈夫だ。別に何も見たりしちゃいねー。
ただ、零に連絡取るために...な?」



「ほんっと最低!!早くこのロープ解いてよ!!」



「んー?零が来るまでもうしばらくお待ちくださいってか?なー頭!!」



くるっと鬼口が後ろを向いては、ドアが開いて、その開いた場所から光が漏れる。



眩しさで目を細めドアが閉まった時、元の薄暗い倉庫に戻った。



そして地面をリズムよく踏む足音

鬼口の隣に立つ黒髪の男は、何か危険な空気を漂わせながら私を見下ろした。



「鬼口...女にその言葉遣いはちょっと失礼じゃないか?」



「いやいや頭。こいつ零の女だから別によくないっすか?」



「零の女でも関係ないだろ?女は平等に扱わないと後が怖いぜー?」



「さすが頭!モテ男の言う言葉は説得力があるっすねー」