結衣は茜の言うとおりに
心の中で魔法を意識しながら詠唱した

「水の魔石よ我に従え!
目の前の物を包みこめ!」

結衣は茜が貸してくれたクマのぬいぐるみ
めがけて詠唱をしてみた
しかしクマが包まれることはおろか
濡れる事すらなかった


「ねえ、もしかしたらだけど
結衣の魔石自体が不良品なんじゃない?

ちょっと私の魔石と交換してみようよ!
私の魔石はちゃんと使えるから」


結衣は自分で付けていたネックレスと
ブレスレットを外し、机の上に置いた

そして茜のイヤリングとネックレスを付け
もう一度魔法を心の中で意識した


「水の魔石よ我に従え!
目の前の物を包みこめ!」

結衣が詠唱すると、茜の魔石は
かすかに反応した
結衣はネックレスを握りしめ
お願い、と小さくつぶやいた


しかしそのまま光は弱くなり
もとに戻ってしまった