私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~


私は春優君を送ると言って家から出た。それから少し歩いて桜の木の丘に来ていた。


いつもの場所に着くと、私は両手を広げて空気を吸い、優しく吹きつける春の風を体で感じる。


「んー、気持ちー!」


「ここ、俺達にとって始まりの場所だよな。」


私が横を向くと春優君は前を見たまま話していた。


「うん、そうだね。」


思えばここで夕日を見た帰り、池であの二人に出逢った。それから変な夢を見始めて、春優君と出逢ったんだよね。現実だと思っていた事までもが夢で、最初はすごく戸惑った。


あ、そういえば池の伝説があったっけ。
古くから伝わる“純恋鬼(すみれおに)伝説”。


昔々、まだ無名だったこの池で、人間の女の子と鬼が出逢って恋に落ちた。女の子は人間でいるよりも恋い慕う鬼と共にいる事を選んだ。


今なら女の子が人間を捨ててまで、好きな人を選んだ気持ちもなんとなく分かるような気がする。