何かを探してることは確かだけど、俺には愛実が何を探しているのかわからなかった。 愛実のことを、俺は何も知らなかった。 これから授業でペアを組まされることも、 一緒にいて楽しいと思うようになることも、 ずっと一緒にいたいと思うようになることも、 毎日あいつを中心に俺の気分が左右されるようになることも。 俺はこの時、想像すらしていなかった。