異様な空気が流れだした中、他の職員がドアを開いた。 「おはようございます」 いつもと変わらないスタッフルームに戻ったように、それぞれが挨拶を交わす。 私は締めつけられるような思いでその日の仕事をした。 緒方科長の視線が痛い。 胸が苦しくなる。 いつも頼って甘えていた人が、こんなにも苦しくなる存在になるなんて……。 私は胸の痛みを感じるたびに、彼の温もりを思いだした。 そして、いつもと変わらない彼の微笑みに目を向けた。