自然と熱いものが込み上げてきて、俺は目に一杯の涙を溜めて陸君に言った。


「ごめん……」


「どうして謝るの?変なの~。
吉田先生って実は泣き虫?
かっこ悪いなー」


「うるせぇ」



こんな小さな子供に励まされるなんてな。


恥ずかしくて、嬉しくて……

俺は陸君の小さな頭をクシャクシャに撫ぜて言った。


「ありがとう」




陸君は笑顔を残して友達のいる学校に行った。



どんなに辛いことがあっても、

目を背けたくなっても、

自分を見失わない限り戻れるんだ。



その力を、

俺達生きている人間にはある。



あんな小さな陸君が俺に教えてくれた。



俺はもう自分を恥ずかしいなんて思わない。


俺は

俺達は


恥ずかしい人間なんかじゃないから。