「リハビリ室に遊びに行ってみない?
ここで寝てるより気が晴れるよ?」
何の反応もない布団の中の陸君に向かって声をかけ続けた。
「陸君は10歳だから……今は小学4年生?
学校は好き?
僕はテストさえなかったら好きだったな」
話を学校の話題にした時、布団がもぞもぞと動いた。
顔を出してくれる?
そんな期待をした俺に、陸君が布団の中から叫んだ。
「うるさい!!
学校なんてもう行けないよ!!」
陸君の声と同時に鼻をすする音が聞こえた。
泣いてるのか?
こんな小さな子が涙を隠して泣くなんて……。
ぎゅっと胸に感じた痛みを落ち着かせ、
俺は陸君に語りかけた。
「学校、行けるようになるよ。
車椅子や松葉杖を使えば移動できるようになるし、トイレにだって一人で行けるようになる。
辛いけど、リハビリを頑張って今より一歩前に進もう?」
「やだよ!!
僕はもとの体に戻りたいんだ!!
リハビリの先生なら僕をもとに戻してよ!!」
戻りたい。
戻したい。
その願いを何度も頭に廻らした。
だけど、戻んないんだよ……。
あとは前を見るしかないんだよ……。

