『好き…… 今の、ありのままの吉田君が好き』 涙の跡が残る俺の頬に、 中嶋先生がそっと唇を寄せた。 そして、 何も言わなくていい…… そう言ってくれているかように、 優しいキスで俺の唇を塞いだ。 俺は、驚きながらも、 その唇の温もりを優しく感じた。 あの日から、俺は中嶋先生を理学療法士としてだけではなく ひとりの女性として見るようになった。 俺達の関係は、 実習指導者と実習生から 恋人という関係に変わった。