一人になった病室でしばらく呆然としていた。 言いたいことが一杯あるのに、 言えないんだ。 心の中がめちゃくちゃで……。 救えたものはとても大きかった。 だけど、失ったものも大きくて……。 この気持ちは、言葉になんかはできない。 掌の赤く滲んだ血の後を見て、俺の涙腺は壊れそうになった。 手の傷はもうかさぶたになっているのに、体中が痛いんだ……。 痛くて痛くて、涙が溢れそうになる。 天井を見上げていると、中嶋先生の声が聞こえた。