病室に戻った俺は必死に泣くのを堪えた。 今、本当に傷ついてるのは高木だ。 卒業式の前日に俺と愛実の関係に前から気づいてたと言い、陰でずっと見守っていてくれた高木。 東京に来てから、電話で毎日のように愛実のことを教えてくれた俺の親友。 俺はその親友の気持ちを裏切ったんだ……。 それに、これからたくさんの人を裏切るんだ。 愛実が大切にしてきた友達。 そして、愛実――。 息をすることさえ苦しくなった俺は激しく咳込んだ。 俺は最低だ。 最低だ……。