『愛実ちゃん、今短期実習でこっちに戻ってるんだ。
これから理子の家で会うんだけど、何か伝えたいことあるか？』
心臓が飛び跳ねたようにドキッとした。
愛実は今、俺やみんなと一緒に過ごした場所にいるんだ……。
これから会うと言った高木が凄く羨ましく思えた。
俺も会いたい。
今すぐ会いに行きたい。
そんなこと出来るはずもないのに……。
電話をかける勇気さえない俺に、愛実を守ることなんて出来ない。
そう思った瞬間、俺は言葉を発していた。
「もう会いに行くことはないからって伝えてほしい……」
そう、もう会いに行くことなんて出来ない。
出来ないんだよ……。
