「今まで顔を見に来れなくてごめんな。
俺、実習が延長になってやっと落ち着いたところなんだ」



青い空が広がる晴れた日に、同じアパートに住んでる健史と女友達の相原が見舞いに来てくれた。



「足の調子はどう?
志則のことを健史から聞いた時、本当にびっくりしたよ」


「今は動きそうな気配はないけど、諦めずに頑張ってるよ」



俺の穏やかな声を聞いて、二人はほっとしたような安堵の顔を見せた。



「俺、志則のことだからもっと落ち込んだり焦ってるんじゃないかと思ってた。
だって、理学療法士になったらあの子を探しに行くって言ってたろ?」


「ああ……うん……」



俺の曇った顔を見て、相原だけが笑顔を見せた。


「探さないの?
だったら私と付き合おうよ!!」


「はあ!?」


健史の驚いた声と、声さえ出ない呆れた顔の俺の視線が相原に向かった。