クリスマスの日から、中嶋先生が毎日仕事を終えた後一緒に勉強をしてくれるようになった。


疲れた顔を全く見せずに俺につきあってくれる中嶋先生。


中嶋先生の優しさが、俺の焦る気持ちをいつも穏やかにしてくれた。




本当は焦る気持ちでいつも叫びそうになってた。


病室で足を動かすイメージをしながら下半身に力を入れてみる。

だけどびくとも動かない足。

俺は歯をくいしばって何度もその足を拳で叩いた。

動け!! 動け!!――って。



勉強を教えてくれてる時、中嶋先生が言ってくれたんだ。


『吉田君が理学療法士になったら、患者さんたちはきっと新しい夢をみつけられる』




その言葉が俺の胸に焼きついて


頑張らなきゃっていう気持ちが、

頑張りたいっていう思いに変わった。



そして、中嶋先生の存在が

俺の中で日に日に大きくなっていった。