「よお!」
緒方科長は俺がいるベッドにドカっと腰掛け、明るく手を上げた。
どうしてそんなに明るいんだよ。
こっちはどん底なのに……。
「今日からリハビリを開始するぞ。
担当は俺」
親指を自分に向けて言う緒方科長に、俺は力なく口を開いた。
「あの……リハビリ明日からにしてもらえませんか?
色々考えたいことがあって……」
「何言ってるんだよ。
一日でも早いリハビリが大切なこと知ってるだろ?」
「それは、そうなんですけど……」
俯いた俺に、緒方科長が溜息をついて言った。
「困るんだよ。吉田がリハビリに来てくれなきゃ……。
リハビリスタッフにさぼり癖がついて」
「え……?」
緒方科長の言っている意味がわからなかった。

