「美羽、ほら横になって。今日1日、俺が傍にいるから」
棗くんが私の肩を軽く押した。
それに促されるように、私はベッドに体を倒す。
「1日って……棗くんも休むんですか!?」
棗くんまで休ませるなんて……そんなこと出来ないよっ。
慌てて棗くんを見上げれば、ニコリと笑われる。
「学校なんて、俺にとっては重要じゃない。俺にとって大切なのは、美羽だからね」
「棗くん……」
大切だって、どうしてそうも迷わずに言ってくれるの?
私は、棗くんに何か……恩返しができてるとは思えない。
むしろ、こうして風邪なんかひいて、迷惑をかけてるのに……。
「美羽が辛い時、傍にいられたのが俺で良かった……」
横になった時、私の顔にかかった髪を優しく払われる。
そして、労るように頬を撫でられた。