「もし美羽がイジメられることがあったら、俺が守ってあげる。その笑顔を曇らせたりしないって、約束するよ」
「棗くん……」
あぁ、棗くんなら大丈夫。
今日初めて言葉を交わしたのに、不思議とそう思えた。
「そうだ、お腹空いてない?」
「あ、そういえば……」
思い出すと、グゥ……と、お腹の虫が鳴った。
慌ててお腹をおさえれば、笑顔の棗くんと目が合う。
「わっ、ごめんなさいっ!!」
あぁ、顔が熱い。
もう、棗くんには恥ずかしい所ばっかり見られてる気がするなぁ。
「はは、気にしないでいいよ。って言っても……うち、カップ麺しかなくって」
そう言って台所へ歩いていく棗くんの後を追いかけると、冷蔵庫にはカップ麺が詰まっていた。
「えっと……なんで冷蔵庫にカップ麺??」
呆然と冷蔵庫に納まるカップ麺を見つめる。
カップ麺はよしとして、どうして冷蔵庫に締まったんだろう。
あ、見栄えが良くない……とかかな。


