「行くのか?」 「……うん、大好きな人の最期の言葉だから……」 真琴ちゃんに、迷わずそう答える。 棗くんが亡くなってから、初めて強く自分の意思を主張した気がした。 「……うちはここで待ってるな?美羽は一人じゃない、だから、頑張ってこいよ」 そう言って、私の背中をバシッと叩く真琴ちゃんに、私はよろけながらも笑顔で振り返る。 「うん、ありがとう……っ」 それに泣きそうになりながら、私は棗くんのマンションへと、足を踏み出した。 棗くんの、最期の言葉を知るために……。