険しい表情を浮かべる梨沙の横に並んで、あたしは大晴山の登山道をのぼっていた。


もうすぐ日が暮れる時間だとはいっても、夏だけあって、歩いていると汗がしたたり落ちる。


あたしたちは、昴くんの幽霊を探すためにここまで来た。


涼くんの話では、この大晴山の頂上付近にある〝星見台〟と呼ばれる場所に、昴くんの幽霊はいるのではないかという話だ。



昴くんの幽霊。


一年前にこの大晴山で事故死したという、あたしたちの友だち。