「…優華…?」



ど、どうしよぉーっ



きっと今目を開けたらさっきの会話聞いてたって疑われるよね…




心の中で葛藤しながらも、


結局私は狸寝入りを決め込んだ。




「……はぁ、俺、
あいつと実行委員やれんのかな…」



まるで私に話しかけるような口調だ。




「中学の時から…
出会った時から、優華が好きだ…」




玲…?



どうしたの?



「余裕ねぇな、俺。」



声、震えてる…




寝た振りなんてしなければ今、
目の前で震える息を吐く玲を包んであげれたのに。




大丈夫だよって言えたのに…




じれったい。




「なぁ優華〜?
優華はいつから…ーー」




ガラガラっー。




「あら、玲くん?
そろそろ優華ちゃん起こしてね〜」




保健の先生だ




「おーい、優華〜!おっきろー!」




さっきの雰囲気とは打って変わって
元気満々のいつもの玲だ。




「…玲?」




…起きたふりも難しいな…



「おっ!優華!大丈夫か?頭痛くないか?」



あ、そういえば私
転んで気を失っちゃったんだ…。




「ごめん、もう大丈夫」