｢…そんな顔すんなよ〜｣
何も無かったかのように笑い声をあげた玲だけど、何も隠せてなんてなかった。
｢ごめんっ…｣
しっかり目を見て伝えるけれど
じわじわと涙がこみ上げる。
玲の笑い方は引きつっていた。
玲の過去とか苦労とか。
こんな形で知ってしまった…。
｢…やめて優華｣
｢え…？｣
冷たくなった頬に
冷たくなった手がそっと触れた。
｢そんな顔させたかったんじゃない｣
そっか、そうだよね…。
ダメだな私、自分のことばっかで…
｢…優華、笑ってよ｣
玲の目にも涙が滲んでいた。
｢…っうん、うん｣
｢玲、話してくれてありがとう｣
それとね、
来てくれてありがとう
好きでいてくれてありがとう
いっぱいいっぱいありがと…。
