｢…本当に、それだけ…？｣



そう言うとはっと鼻で笑った統夜と目が合う




｢他に何を期待してた訳？｣



その言葉に一気に顔が赤くなる。



微かに震える手を握りしめる。


｢じゃあなんで梨乃ちゃんの時は、
やらなかったの？｣



｢俺、あいつ嫌いだし
…まぁ話したことは無いけど｣


その言葉に、ホッとしてる。



私…最低だ。


でも…やっぱり安心しちゃう。



こういう時に感じるんだ。



私ってまだ統夜の事、

引きずってるんだなって…。



｢そう…なんだ｣



私の事、もしかしたら今も…


なんてただの自惚れた考えだったんだ。



私の、勝手な思い込みだったんだ…。



でも、一つだけ聞きたいの。



私の事は、まだ嫌いになってない？



そう聞きたいのに…



｢じゃあさ…私の事…｣




｢言っとくけど、俺お前の事も嫌いだから｣




｢…っえ？｣



｢俺らはあの日で終わっただろ。
変な期待、しないでくんねぇ？迷惑｣




迷惑…？




私が統夜を想っていた事が、




待っていた事が、




統夜にとっては迷惑でしかなかったの？