「1ヵ月後の体育祭実行委員やりたい人ー
……って、いる訳ないかぁ」
「先生〜それって大変なのー?」
「もちろん忙しいぞ〜」
「やってもいいかなぁって思ったんだけど〜
なら、梨乃やらなぁい」
「そこを何とか!」
和久井 梨乃ちゃん
言いたい事はっきり言える子で
見た目は派手だけど、先生に信頼されている
…と、思う。
「えぇ〜…じゃぁ統夜君がやるならやってもいいなあ〜」
は!?
「っは!?」
違うよ!今の統夜だよ!!?
思わず出そうになったけど抑えたわ!
梨乃ちゃん、統夜狙い?
やだ私…なんかモヤモヤしてる…
そんな気持ちを消すかのように胸元をぎゅと押した。
先生の視線が統夜に変わる。
「…やらないっすよ、忙しいんで」
その視線を察した統夜がそう言った。
良かった…
その言葉に頭を抱える。
…おかちゃん、可哀想。
役員はクラス代表の委員長、副委員長、書記の3人かぁ…
「誰でもいいんだ〜頼むよ〜」
ざわざわと空気がざわめく。
これじゃあ役員決めじゃなくて
ただの押し付け合いだ。
「私、やるよ」
手を挙げると一気に視線が集まる。
ついでに隣からも遠慮なく視線を感じる
前の方の席ってこれだから嫌なのよ
背中に視線が刺さるわ刺さるわ。
そんなに私が行事参加するのが珍しいか!
「助かったー!よく言ったぞ優華!
お前はやれば出来るって信じてる!」
涙を拭くふりをする先生に
ちょっとした笑いが起きる。
「…あと、玲もね」
「おっ!ほんとか!
あいつそう言ってたのか?」
「ううん、私が決めたの。大丈夫よ
玲ならやるって言うから」
(ほんと、仲いいよね〜)
(…ふふっ男好き…)
いい言葉も悪い言葉も全部聞こえる。
別に、慣れてるけど。
「…書記、俺やります」

