無糖バニラ【番外編】

時刻は、夜7時半。

思ったよりも早く売り切れた。


「やったね、翼。売り切れたよ!」

「そうだな」


嬉しくて、あたしはお店の中へ駆け込んだ。


「翼のママー!ケーキ無くなったよー!」

「本当!?すごい、ふたりとも!ありがとう!」


あたしが大声で叫ぶと、翼ママも厨房の方から飛び出してきた。

翼ママと、ふたりで手を取り合って喜ぶ。


「今日はね、お寿司とったの。このはちゃんも食べていって。もう準備はしてあるから」

「お寿司!わーい!」


あたしが子供みたいに喜んでいると、翼が後ろから体を引き寄せた。