無糖バニラ【番外編】

「どうしたの、翼。人のデートには興味ない?」

「あるように見えるか?」

「本当だね」


うん、確かに。だって翼だし。

そう思ったらおかしくて、あたしは目の前で笑った。


「お前もさ、やっぱりこういうの……」


依然暗めの顔で翼が何かを言いかけた時、お客さんがケーキを買いに来たから強制終了された。


「はい、500円のお返しです。ありがとうございました!」


元気よく見送り、翼を見る。

さっきの続きは……もう言わないのかな?

なんて言うつもりだったんだろう。