愛を込めて極北

 「大きな花!」


 パーティーは札幌市内のホールで開催され、その入り口には関係者から送られたたくさんの花輪が飾られていた。


 一番大きかったのが、楠木のメインスポンサー・リブラン社からのもの。


 入り口の左右最も目立つ場所に、白いユリの花を中心に彩ったゴージャスな花輪。


 白いユリ……カサブランカのきつい香りが周囲に漂っていた。


 「カサブランカっていい香りだけど、ちょっと強烈なんだよね。送り主同様……」


 同行した響さんが、鼻をつまむ仕草を見せる。


 「送り主ってリブラン社ですね」


 「……さ、まずは腹ごしらえ」


 話を逸らすかのように響さんは、テーブルの上のハムなどおつまみを口にし始めた。


 ハム類はあの東さんの工房で生産されたものだ。


 「……それでは開会の挨拶を始めさせていただきます」


 司会者が壇上に姿を見せた。


 本日は立食式パーティーゆえ、気軽に飲んだり食べたりしながらスピーチを見守っていた。