愛を込めて極北

 車のエンジンを一旦切り、楠木のリュックは私が肩から下げ、楠木を抱える形で自宅へと歩いた。


 「鍵開けましたよ。中に入りましょう」


 ジャケットのポケットにキーホルダーが見えたため、それを拝借して玄関のドアの鍵を開けた。


 電気をつけて靴を脱ぎ、自力でリビングまで歩いてソファーまで一直線。


 「喉乾いた。水ほしい」


 ソファーで横たわり、テーブルの上にあったリモコンに手を伸ばしてテレビをつけた。


 まだ夜中のニュースが放送されている時間帯。


 飲み過ぎで喉が渇いたようで、私に水を要求してきた。


 「水? 冷蔵庫にあるミネラルウォーターでいいですか?」


 「一本くれ」


 仕方ないのでキッチンへと向かい、冷蔵庫の中から500ミリリットルのミネラルウォーターのペットボトルを一本取り出し、リビングへと戻ったところ。


 すでに楠木は、ソファーで横たわったまま眠りに落ちていた。


 テレビも電気もつけっぱなしで。