愛を込めて極北

 まず札幌市北区にある喫茶店にまで戻り、そこで楠木は免許証を回収。


 それから近郊のドラックストアに向かい、バーゲンで栄養補助食品を買いだめ。


 「現地で買えば高いから、日本にいるうちに買っておきたかったんだ。ちょうどバーゲンやってて助かった」


 ドラッグストアから段ボールを一箱もらい、買ったものをそこに山ほど詰め込んだ。


 「エコバッグ持参すればよかったですね」


 「袋じゃ破れそうだから、こっちのほうが安全だ」


 それを私の車の後部座席に詰め込んで、出発。


 ……最初はスムーズに走行していたものの、札幌市内から北広島市へと向かう国道にて渋滞が始まった。


 年度末の祝日ゆえ、進・入学や卒業、新社会人、転勤引っ越しなどなど人生の節目を迎え、買い物などに出かける人がかなり多いと推察される。


 「時速10キロも出せないですね」


 「動いてるだけまだましだ。……そうだ、フランクリン隊は蒸気機関が装備された二隻で航行していたんだけど、共に最高速度時速七キロちょっとだったらしい」