愛を込めて極北

 キングウィリアム島からカナダ本土にかけて、彼らが歩んだ道に沿って、力尽き途中で息絶えた隊員たちの白骨が至るところで発見されたという……。


 それにまつわる悲惨かつ残酷な話も、数多く伝わっているものの。


 今日は小中学生を招いた講演会ゆえ、過酷な現実をありのままに伝えるのは自粛したようで、その後は極地で撮影者写真をプロジェクターを用いて紹介。


 まずはシロクマの写真。


 距離のある氷山の上でくつろいでいるものや、明らかにカメラ目線のものまで。


 ポーズを取っているようなものもある。


 シロクマはヒグマ同様、いやそれ以上に獰猛だと聞く。


 動物園で見るものは可愛いものの……。


 大丈夫なんだろうか……と心配になるけれど、撮影者当の本人が今目の前であれこれ語っているのだから、無事生還できたってことなのだろう。


 それから真っ白いホッキョクキツネや狼など。


 犬ぞりを引くハスキー犬たち。


 名前は聞きもらしたけれど、島を覆い尽くす野鳥たち。


 毛の長いバッファローのような牛の群れ。


 北極圏は雪と氷とツンドラしかない不毛地帯って印象が強いけれど、写真の向こうは生命の躍動する神秘の世界だった。